もふもふ道場のご案内~性暴力行動を変化させたい男性のためのグループ
もふもふ道場に参加するには、初回個別面談(90分、10000円)が必要です。グループ内のリスクを一定にするためアセスメントとオリエンテーションを行います。
もふもふ道場では、性衝動そのものは自然なものとみなしていて、それを低減することではなく、暴力的・犯罪的な性衝動に気づき、自己統制していく力とスキルを身につけることを目指します。つまり、性的興奮のパターンを変えることです。 そのために、①性暴力行動を支えている非機能的認知や回避すべきリスク状況について学びます。②性衝動を社会的に認められる形で充足するには、他者との欲求や感情の調整をすることが鍵であり、自他の感情に気づき尊重することや、対等で相互的なコミュニケーションの力とスキルを伸長すること練習をします。③最後に、性犯罪行動を回避するだけではなく、自分の本当の望みを実現していくことに目を向け、自身のよりよい人生プランを含んだ再犯防止プランをたてます。
「道場」と名付けたのは、自発的な訓練の場だからです。性暴力行動は、支配‐被支配の関係であり、治療者‐被治療者といった縦の関係以上に、仲間同士の対等な横の関係を練習することが大切です。またとない練習の場であるグループを活用し、安心・安全な関係を作り、その中でともに「感情の筋肉」を鍛えましょう。性暴力の治療教育は、医者に行けば薬で治してくれるとか、修理工場に車を出せば機械工が直してくれるというたぐいのものではありません。むしろ山登りやスポーツの熟達に近いものです。ガイド・コーチ役を務めるのは、月組が藤岡、タミロウ、花組が金、益子、星組が毛利、タダシ、空組が安藤、松沢、山組が濱尾、Kです。藤岡、金、毛利、濱尾は、公認心理師で、矯正施設や社会内での性犯罪行動を持つ人々の治療教育に長く携わっています。益子、Kは精神保健福祉士で、地域生活定着支援センターなどで触法障害者の支援を実践しています。タミロウ、タダシは回復者です。松澤は、元教員です。ガイド/コーチは、方向や「型」は示しますが、実際に歩いたり練習をするのはあなた自身です。
最後になりましたが、メンバーにもガイドにも守秘義務とその限界が課せられます。お互いに守らなければならない約束事等については、事前に個別面談を行って詳細に説明します。その上で、双方が同意をして契約を交わしたら、グループに参加していただきます。
はじめて道場に参加する際は、基礎講座(2時間を4回)受講していただきます。基礎講座では、①リスクと思考の誤り、②行動ステップまたはサイクル、③感情とコミュニケーション、④被害者理解、⑤グッドライフといった基本的な知識を学びます。
道場は、最低12セッション(1日で2セッションなので6か月)の参加が求められます。12回で1クールを終え、必要があれば継続します。本人と相談しつつ卒業の時期を判断、決定します。道場では、日常生活を振り返り、今、重要なことを自由に話し合い、理解と実践を深めることを中心に行います。
第一道場(月組) 少年対象 スタッフ:藤岡、タミロウ
月1回、原則第1日曜日、午後13:00~16:15
第二道場(花組) 成人対象 スタッフ:益子、金
月1回、原則第2日曜日、午後13:00~16:15
第三道場(星組) 成人対象 スタッフ:毛利、タダシ
月1回、 原則第3日曜日、13:00~16:15
第四道場(空組) 成人対象 スタッフ:安藤、松澤
月1回、 原則第4日曜日、13:00~16:15
第五道場(山組) 少年対象 スタッフ:濱尾、K
月1回、原則第1土曜日、13:00~16:15
場所は、新大阪オフィス、料金は、3時間で6000円です。
道場基礎講座への参加について
はじめて道場に参加することになった方々に、はじめに4回受講していただき、知っておくべき基本的知識について学習するための講座です。初回面談後、道場に参加いただくことになった方々に基礎講座の申込み方法をご案内します。基礎講座は講義中心となり、資料を用意するため、初回面談担当者もしくは基礎講座担当者と相談の上、参加を予約願います。
通常の道場では、日常生活の雑草のチェックや衝動コントロール、グループごとに必要なテーマで進めます。基礎講座は、その前提として知っておいて欲しいことを最初にお伝えします。また、つながった当初は再犯リスクも高いことがあり、基礎講座を加えることで当初の参加頻度を増やしています。
なお、それ以前から道場に参加しておられる方もご希望があれば、基礎講座にご参加いただけます。メールで、あるいは道場の担当者にその旨、ご一報ください。
日程は、原則第1&第3日曜日10:00~12:00、参加費は4000円、場所はもふもふネット、担当は、藤岡と毛利です。シラバスは以下のようで、4回ごとに同じ内容となります。
① 第1回4つの壁とグッドライフ
⓶ 第2回非機能的認知
③ 第3回犯行パターン
④ 第4回被害者
2021年 1月24日③、2月7日④、2月21日①、3月7日②、3月21日③
2021年度日程(4月~2022年3月)
第1クール 4月4日①、11日②、5月2日③、16日④
第2クール 6月20日①、7月4日②、18日③、8月1日④
第3クール 9月5日①、19日②、10月3日③、17日④
第4クール 11月21日①、12月5日②、19日③、2022年1月9日④
第5クール 2月6日①、20日②、3月6日③、20日④
たぬきの会~性暴力被害女性の回復のための支援グループ
もふもふネットでは、月1回、サバイバー女性のためのグループを開催しています。
1回2時間、メンバー同士の話しあい中心で進めるゆるやかな会です。
メンバーが安全・安心に参加できるよう、臨床心理士のスタッフがサポートします。
現在のメンバーが「きっと同じような体験をしている人がたくさんいるはずだが、最初の一歩を進むのは不安にちがいない」という思いから、これから出会う仲間に向けたメッセージを届けてくれたのでご紹介します。
参加者の声
YOKO
「たぬきの会参加当初はまだ性的虐待について話す事に怖さや戸惑いがあり、体験を話したり、人の体験を聞いたりしてしんどくなる事がありました。ですが回を重ねるにつれ楽に話せるようになっていき、だんだん気持ちが軽くなりました。話すことで体験が整理でき、回復の大きな手助けとなったように思います。
参加して同じような事で悩んでいる仲間がいて一人じゃないと思えたこと、共感して話を聞いてもらえたことが嬉しかったです。
専門家の先生が主催されているので話しやすく安心して参加できました。今は参加してしんどくなるどころかスッキリとして帰れます。最初の一歩に勇気は要りましたが参加して良かったと思います。」
KIYOMI
■参加してすぐ
被害は各自さまざまですが、同じような苦しみを抱えた人たちと会えることで一人じゃ
ないと感じたこと。この場でもしパニックを起こしてもプロの先生がいてくださるとい
う安心感。このことを実感できた事で限定的に事件の事を少しずつ話せるようになりま
した。
■プログラムを終了して
一言でいうとスッキリしました。
それまでは、被害者である事を社会的に隠したい気持ちと、被害により長年影響されて
いるリアルな日常とのバランスの悪い状態(バレたくないけどわかってほしい)に答えが
ない気がしてひとりで暗い気持ちでした。けど、それは自分の一部に過ぎないと思いみ
んな同じなら一緒に考えていけばよい、と少し楽観的かつ長期的にかまえられるように
なりました。
自分の事を自分で言葉にすること、それを受け止めてくれる人がいる場がこんなにも大
事なのだと痛感しました。
■現在
たぬきの会に参加し始めてもうすぐ2年。事件から丸7年を迎えようとしています。仕事
や日常生活にもそれなりにペースをつかんで、できなかった事が少しずつできるように
なっていっています。
月一回のたぬきの会では、その間しんどい事ややる気がない事なども近況報告していま
す。互いにわかる、あるある、という共感はとてもホッとします。
気になった方は、継続する決意はいらないので、一度来てみたらよいと思います。参加
者同士、良いも悪いも影響を与えることは前提の場だと思って一歩をふんでみてくださ
い。私もいろいろ探したことはありますが、このような場は他にはないと思います。
たぬきの会は、都合のつく回のみの参加も歓迎します。
初参加の方は、当日、開始前にスタッフによるオリエンテーションを受けていただきます。
ご心配な点や不安なことがあれば、問い合わせメールやオリエンテーションでお尋ねください。
メンバーは全員、お互いの個人情報を守る約束をしていただきます。
【開催日時】原則第2土曜日 15時半~17時半
詳細はホームの年間スケジュールをご確認ください。
【参加条件】
・性暴力体験のある女性(おおむね18歳以上)
・グループでの話し合いに参加できる方
※事前のオリエンテーションで、個別相談や他機関をご紹介する場合もあります。
「たぬきの会」では医療的な緊急対応ができないことをご了承ください。
【参加費】
・1回(2時間)、2,000円 (当日会場でお支払いください)
・初回オリエンテーション(約30分間)は、1,000円です。
【会場】
・もふもふネット・サークルルーム(新大阪駅・南方駅より徒歩5分)
http://mofumofunet.jimdo.com/
【申し込み・お問い合わせ】
tanukinokai2015@gmail.com(担当:もふもふネット 野坂祐子)
たぬきの会 企画 「性暴力被害、それぞれの体験と回復の話」終了しました
父親から性的虐待を受けること、そして、家庭でさまざまな暴力があるなかで育つということは、子どもにどのような影響をもたらすのでしょう。
また、成人後のレイプ被害のあと、生活や生き方はどんなふうに変わるのでしょう。
性暴力が、被害者に及ぼす影響の大きさは知られつつありますが、サバイバーの声はまだ社会に広く届けられていないように思います。
「性被害を受けたらどうなるの?」「身近な人が性被害を受けたら、どうしたらいい?」「よりよい支援を提供するために専門家が留意すべきことは?」――こんな疑問や関心のある方に向けて、このたび、性暴力の女性サバイバーのグループである「たぬきの会」では、メンバー2人によるスピーチ・イベントを行うことにしました。
性暴力についてもっと理解したい方、同じような体験をした女性の話を聴いてみたい方、被害者のご家族の方、あるいは被害者支援の仕事に関わる方など、一緒におふたりの体験談を分かち合ってみませんか?
スピーカーの希望により、参加者は「女性のみ」(事前申込制)といたします。
◆日時:2017年10月7日(土)13:00~16:00 ※開場 12:45~
◆スピーカー:「たぬきの会」メンバー Yokoさん & KIYOMIさん
(聴き手:野坂 祐子)
◆内容:おふたりの体験談を聴いたあと、感想のシェアリングを行います
◆対象:女性のみ、12名定員
◆受講料:2,000円
◆申込先:tanukinokai2015@gmail.com
(当日は、仮名での参加もOKです)
被害者の体験はさまざまです。回復の道すじも、人それぞれです。
そして、サバイバーを支えるためにできることが、もっとたくさんあるかもしれません。
みんなで性暴力被害について考える機会にできればと思っています。